灰と蜜

元ラブホ職員日々徒然

ラブホで働いてみて~外国人観光客の脅威~

近年、日本に訪れる観光客の方が増えている所為でしょうか。

ブログ開設当初、テストも兼ねて同様の記事を公開していたのですが、検索からアクセス頂いている方が多かったようで驚きました。

という訳で、今回はラブホテルで働いていた中で、外国人のお客さんが来店されたときに感じたこと。

以前公開していた内容も含めつつ、ざっとマイルドに書いていきます。マイルドに。

 

日本に訪れる外国人が急増中!


今や都心で繁華街の人混みを歩いていると、あちらこちらから外国語の会話が聞こえるのは当たり前です。免税店も続々と増え始めている様子ですね。

メディアでもよく報じられている通り、日本へ訪れる外国人観光客は着々と増加傾向にあるようです。

ところで、去年放送されていたあるテレビ番組では、ゴールデンウィーク中に日本へやってくる外国人観光客について取り上げられていました。

 

番組は大型連休GWに賑わう都心を中心に、女性ガイドさんが観光客をご案内する内容。

「普段行かないような所に行ってみたいんだ」と無邪気な外人さんと共に、ガイドさんは渋谷の街へ繰り出します。
スクランブル交差点の人混みでも見せるのかな、なんて思いきや。彼女が向かったのはラブホ街でした。


外国人「ここはなんてところ?」
ガイド「ラブホテルエリア」
外国人「ここがそうなの? 一度来てみたかったんだ」

 

テレビの画面越しにテンションを上げている様子の外人さん。
一方、当時ラブホテルで勤務していた私はというと、正直なところ頭を抱えたくなりました。ゴーアウェイ! なんてブーイングと悲鳴を上げながら、テレビ画面にトマトや空き缶を投げたい気分だった訳です。

私がいかに米国文化に対してステレオタイプ(?)で、実用性ゼロのイメージを持っているか、ということが文面から滲み出ていますね!

 

そして、当時の私がどうしてそんなにも悲痛なトマトの砲丸投げをしたくなったかというと。

それは私自身がラブホテルのフロント対応において、一切の日本語が通じないお客さん相手に接客を試みて、何度か臨死体験に近いものを味わっていたからです。簡単に言うと私怨です。


大袈裟な表現ではなく、勤務上のミスで生じたレジ金の誤差等々を自己負担させられる、というなかなかブラック傾向だった私の職場において、何ひとつ日本語の通じない外国人観光客さんは本当に脅威でした。

使徒みたいなものです。何で逃げちゃダメだったんだろう?

 

ほとんどのラブホテルで、フロントは1人体制が基本です。

支配人や責任者の方が英語に堪能であればまだ救いはありますが、一般のホテルに比べれば、英会話に通じている人員は極々少数なのではないでしょうか。

 

そうなると、フロントスタッフはネットで英単語を調べながら、メモ書きやイラストを駆使してお客さんと意思疎通を図ることになります。ジェスチャーを交えつつ、いかに正確に料金プランやチェックイン、アウトの時間を伝えるか。

今すぐ終戦の玉音放送でもバックミュージックに流して、職場から全力で走り去ろうか、という思いに何度駆られたことか……。

マッカーサー万歳! なんて適当に言っていれば気を良くして帰ってくれないかな、と思っていました。
(危ない人達に怒られそうなので、これ以上は書きません)

 

余談ですが、私が働いていたラブホテルは外観が地味だったということもあって、一般のホテルと間違えてお越しになる外国人の方も少なくなかったのかもしれません。

入店するなり、タッチパネルにビックリ。フロントの怪しげな曇りガラスにビックリ。

エントランスに並ぶいかがわしいコスチュームや、デリバリーヘルスの雑誌を見かけてWhat is this?! HAHAHA!!なんて大笑い。

腕にタトゥーの入ったナイスガイが、曇りガラスの料金口から覗き込んで来て「日本のホテルはみんなこんな風なの?」と笑いかけてきたことも珍しくありません。(その雑談すら、メモに書いていただいて和訳することでようやく理解できた訳ですが……)

ややこしくて申し訳ない限りです。Welcome to ヤり部屋。

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一応は宿泊施設なのに……ラブホの問題点

 

ラブホテルの提供物は、値段はもちろんのこと時間制限や受付可能人数、部屋のタイプやサービス内容、注意事項など。寝食可能なお部屋をご提供するだけあって、説明事項や問い合わせが多岐に渡ります。

持って来られた商品を「これは○○円ですよ」と言うだけでは済ませられません。

言うなれば、一般のホテルと同様のご説明内容がある訳です。

 

それにも関わらず、よほどおもてなしのサービス精神を経営方針としているか、都心の中心にある店舗か。

もしくは浅草や京都など、元から外国人観光客の方の呼び込みに熱心な場所でない限り、ラブホテルは、外国人向けのサービスやスタッフを備えていない場合があります。


私が勤務していたラブホに限っては、英語表記の料金表の1枚すら用意がなく、語学力を求めるスタッフの募集は過去に1度も行なったことがありませんでした。

外国人観光客が訪れる、という想定すらされていない訳ですね。

よって、英語でのコミュニケーション力は壊滅的。誰ひとりとして、まともに会話ができる人間はいませんでした。

宿泊施設としてどうだったんでしょう、この体たらく。私自身も含め、情けない!

 

もしも私が勤めていたホテルのように、やる気も誠意もないサービス業をちんたら営んでいる地雷店に観光客の方がいらっしゃった場合。

学のない純日本人スタッフは言語の壁に悶え苦しみますし、お客さんも何ひとつ思うようにいかない接客態度に苦笑いすることになるでしょう。

ひいては、日本のラブホテルを紹介したガイドさん達の信用を損なう結果にも繋がりかねない、ということです。

 

さて。ガイドさんとお客さんの立場に立ったような、恩着せがましい言い方をしましたが。

要するに、ラブホテルのスタッフが使徒襲来に命を削られるので、わざわざ変なお店をご紹介しないでください、という苦しみを書きつづりたかったのが、勤務当時の私の気持ちでした……。

 

観光先としてはユニーク!

 

働いていた身として、マイナスイメージばかり書いてしまいましたが。

外国の方からしたら、ラブホテルというのは知られざるマニアックな日本の姿かもしれません。観光先の穴場としてご紹介するのは、純粋におもしろい提案だと思います。

 

そもそも、都心(激戦区)のレジャーホテル、ラブホテルでは、初めから語学力の必要性をほのめかすフロントの求人情報を出しているところもあります。(まだまだ数こそ少ないですが)

入店するお店さえ間違えなければ、外国人観光客の皆さんもコミュニケーションの壁を味わわなくて済むのかもしれませんね。入店するお店さえ間違えなければ。


私が感じたことはシンプルです。
テレビ番組の尺的に委細説明をカットされていただけかもしれませんが、番組で登場したガイドさんが言ったような「日本のラブホテルは、安いし綺麗だしサービスもいいですよ」というのは、半分が事実で半分はブラックジョーク(?)だと思います。

 

ご紹介をするのなら、日本語がまったくわからない外国人が単身で入店しても、ある程度は対応が可能なスタッフ教育や、接客態度を心がけているホテルかどうか。

その点をフロントスタッフに軽く確認してから、おすすめしていただきたい限りでした。

もしくは、ガイドさん自らがご一緒に入店の上、外国人のお客さんがサービス内容に戸惑わないように計らっていただけたら、本当に泣けるほど嬉しいと思います。

別にメイクラブしなくたって、お部屋をご利用いただいていいんですよ!

 

まとめ

 

今の日本のラブホテルは、問題点が少なくありません。

確実に増加傾向にある外国人観光客の皆さんへ向けて、いかにご満足いただける対応をするか、という段階までサービスの質が追い付いていないのが現状だと思います。

せめて英語を使った料金表の設置など、基本的なシステムをラブホ全体が敷いていければ……いくら業界自体がうさん臭い業種とはいえ、ニーズに対応するための打開策を編み出していけるといいですよね。

 

そんな訳で。もしもここまで読んでくださった方の中で、ラブホテルのフロントで働いてみたいけど語学力は自信がない、と不安になった方がいらっしゃったら。

大丈夫です。語学力ゼロの私でも働けました。

長くなってしまったので、今回はこの辺りで。

次回は、ラブホテルで日本語の通じないお客さんが来店されたときの対処方法など、前向きな内容も掘り下げて書いていこうと思います。

 

おすすめ書籍

 

新版 ホテルの英会話ハンドブック CD付

 

在職中にこれを買うべきだったかな、という感想が否めない。

変にこじゃれた読み慣れない表現に偏らず、基本的な内容がコンパクトにまとまっていたので実用性が高そうでした。在職中にこれを買うべきだったかな、という感想が……etc